免疫住宅とは?FFC処理やシックハウス症候群についても解説
公開:2023.12.08 更新:2023.12.08現代では、多くの日本人がアレルギー疾患に悩まされています。建材や接着材から発生する有害な揮発性化学物質や室内のカビ・ダニの増殖がその原因です。免疫住宅(FFC処理住宅)は、これらの課題に対処し、揮発性有害物質を無毒化し、カビ・ダニの発生を抑制して室内の空気環境を改善する健康住宅です。
FFC処理建材を使用することで、木材や建材の免疫力を向上させ、快適な生活環境を提供します。FFCは水に溶け、水の抗酸化機能を向上させ、細胞を活性化させる特殊な鉄分です。これを利用したFFCテクノロジーが、免疫住宅で応用され、2005年の愛知万博で注目を集めました。
目次
免疫住宅とは?
現代において、日本人の約半数がアレルギー疾患に悩まされていると言われています。この問題の原因となっているのは、建材や接着材から発生する有害な揮発性化学物質や、室内でのカビ・ダニの増殖です。
免疫住宅(FFC処理住宅)は、揮発性有害物質を無毒化し、カビ・ダニの発生を抑制して、室内の空気環境を改善することに焦点を当てた健康住宅です。
免疫住宅はFFC処理建材で洋風化の弊害を解消
FFCは、「Ferrous Ferric Chloride(フェラス・フェリック・クロライド)」の略称であり、日本語では「水溶性二量体鉄塩」を指します。言い換えれば、二価鉄と三価鉄が塩基で結合した特殊な鉄分のことです。
FFCは水に溶け込んでいる状態で水の抗酸化機能を向上させ、さまざまな細胞を活性化させることが実証されています。このFFCを木材の細胞内や建材などの組織内の水分に浸透させる技術を「FFCテクノロジー」と呼びます。
2005年に開催された愛知万博「愛・地球博」では、「バイオラング」としてこのFFCテクノロジーが使用され、世界各国の注目を浴びました。
免疫住宅は、FFCテクノロジーを応用し、木材や建材の免疫力を向上させ、住む人が快適に生活できるようにした住宅です。
FFCとは?
近年の住宅の西洋風化に伴い、接着剤や塗料には多量の化学物質が使用されています。同様に、木材も酸性雨や大気汚染などの環境問題の影響を受け、健康を害する状態になっています。これらの化学物質を含む建材や疾患の木材が、室内の空気を汚染し、シックハウス症候群の原因となっています。
最近の研究では、カビから有害な揮発性化学物質(VOC)が発生していることが確認されています。ある実験では、フラスコ内で1週間にわたりカビの胞子を培養した結果、0.72PPMの揮発性化学物質が検出されました。通常の生活空間における揮発性化学物質の濃度は0.01PPMであるため、この数値は実に70倍に達します。
免疫住宅(FFC処理住宅)の特徴・メリットとは?
免疫住宅(FFC処理住宅)の特徴
マイナスイオンを生成
FFC処理によって、マイナスイオンの生成が促進され、自然の森の中の大気環境に近づけられます。
カビやダニの発生を抑制
悪玉菌などの繁殖を制御し、善玉常在菌の機能を促進させ、免疫力を向上させる効果が期待されます。
刺激臭を抑制
新築やリフォーム時に発生するクロスや接着剤の不快な臭い(健康への悪影響が懸念されるもの)を軽減します。
温度が一定で快適
FFC処理を施した室内では、遠赤外線の放射効果が向上し、冬は温かく、夏は涼しい心地よい空間が生まれます。
免疫住宅(FFC処理住宅)のメリット
悪玉菌を抑制・善玉菌を増幅
FFCを利用したクロスにおいて、善玉常在菌の増殖が確認され、乳酸桿菌などの有益な菌が増加し、悪玉菌であるMRSA(院内感染菌)やカビの繁殖を抑制することが確認されました。
皮膚細胞が活性化
培養皿の下に各木材を配置した(細胞との距離は1mm)通常の木材と比較して、FFC処理を施した木材は約2倍の増殖が確認されました。これらの結果から、動物を含むヒトがFFCの水に囲まれると、皮膚の細胞が同等に活性化される可能性が考えられます。
カビの発生を抑制
免疫住宅では、部屋の内部をFFCを活用して、自然の森の大気環境に近づけることができます。これにより、乳酸桿菌などの有益な菌が増殖し、悪玉菌の発生を抑制します。免疫力が向上し、健康な体への転換が期待され、アトピー・花粉症などのアレルギー症状も和らげることができます。
シックハウス症候群とは?原因と対策方法
シックハウス症候群は、住宅の建材、内装材、家庭用品など、家庭内の化学物質によって引き起こされる健康被害の一形態です。この症状には、目のチカチカ、喉のイガイガ、頭痛、めまい、倦怠感などが含まれ、個人によって異なるものとなります。
シックハウス症候群の原因
原因として挙げられるのは、ホルムアルデヒドや揮発性有機化合物と呼ばれる化学物質です。それだけでなく、生物学的要因としてはダニや真菌、環境要因として湿度、心理社会要因、そして個人の感受性など、様々な要因が複雑に関係していると考えられています。
シックハウス症候群の対策
シックハウス症候群は、主に住居から発散する化学物質によって引き起こされますが、個人の体験には、生まれてから接触してきた化学物質の累積量による個人差が関与しています。従って、日常的には不必要な化学物質の使用を避けたり、あるいは発散を抑制したりすることが重要です。
また、家の複数の窓を1日に数回開けて、室内の空気を新鮮なものに入れ替えることも重要です。シックハウス症候群の予防には、効果的な換気が必要です。また、換気システムのある住宅では、24時間運転し、換気設備のフィルター清掃を定期的に行いましょう。
シックハウス症候群の発症には個人差があります。したがって、ごく微量の化学物質との接触に悩んでいる人もいれば、まったく症状がない人もいます。健康被害はもちろんのこと、シックハウス症候群に対する理解不足が、症状がある人にとって精神的な苦痛となり得ます。周囲の理解が非常に重要です。
免疫住宅は、建材や接着材から発生する有害な揮発性化学物質や室内でのカビ・ダニの増殖によるアレルギー疾患に対抗するための健康住宅です。FFC処理を施した建材を使用し、空気環境を改善します。
また、FFCテクノロジーを応用した免疫住宅は、木材や建材の免疫力を高め、健康な生活環境を提供します。シックハウス症候群は住宅内の化学物質による健康被害であり、ホルムアルデヒドや揮発性有機化合物が原因です。予防策としては、無理な化学物質の使用を避け、十分な換気を心掛けることが重要です。
免疫住宅の特徴として、マイナスイオン生成、カビやダニの発生抑制、刺激臭の抑制、一定な温度の維持が挙げられます。これにより、免疫力向上や健康維持が期待されます。
シックハウス症候群には個人差があり、理解不足が精神的な苦痛を引き起こすこともあります。周囲の理解と予防対策が大切です。