注文住宅における外構の役割とは?設置時に気を付けるべきポイント
公開:2024.07.30 更新:2024.07.30
外構は、防犯やプライバシーの保護、駐車スペースの確保、敷地の境界線の明確化など、多くの機能を果たします。さらに、家の外観を美しく整え、全体のデザインバランスを取ることで、住宅の価値を高める効果もあります。しかし、外構の設置には慎重な計画が必要です。後悔しないためにも、計画段階でしっかりと検討することが大切です。
目次
外構の役割って何?
外構は防犯やプライバシー保護、駐車スペースの確保、敷地の境界線の明確化などの機能を持ちます。住宅の計画と同時に外構を考えることがおすすめです。注文住宅では、建物本体だけでなく外構も含めた全体のデザインと設計、施工が重要です。
◇外構の基礎知識
外構とは、住宅の外にある構造物全体を指します。具体的には、門扉、アプローチ、駐車場、ブロック、フェンスなどが含まれます。外構は、住宅と共に建物の顔となり、全体のバランスをとることが重要です。
手間とコストをかけることで、見た目の印象を大きく変えることができます。特に門扉や植栽のデザインが住宅全体の雰囲気を向上させます。予算を少し上げるだけで、外構部分で多くの改善が可能です。
◇外構のメリット
外構には多くのメリットがあります。塀がないことで日当たりが確保でき、開放感が生まれます。風通しも良く、ガーデニングを楽しんでいる家では、通りからも植物を楽しむことができます。
狭い敷地でも建物の外回りを最大限に活かすことができる点も魅力です。高い塀がないため死角がなく、防犯性が高いことも特徴です。さらに、駐車スペースを一台分増やすなどのリフォームがしやすく、工事費用も低コストで済む点もメリットです。
外構の種類を紹介

画像出典:フォトAC
次に、外構の代表的な3つの種類について紹介します。それぞれの外構の特徴やメリットを理解し、理想の住環境を実現するための参考にしてください。
◇オープン外構
オープン外構は、道路と敷地の境界に柵や塀がなく、道路から家の玄関まで見渡せるスタイルです。このデザインは、高い塀がないため日当たりが良く、外からも中からも開放感を感じられます。特に北向きの敷地では、室内に光を取り入れるためにオープン外構が選ばれることが多いです。
一方で、視線を遮るものがないため、外からの視線が気になることがあります。また、境界線が明確でないため、敷地内に人が入ってくる可能性があります。
◇クローズド外構
クローズド外構は、塀やフェンスで敷地全体を囲むスタイルです。これによりプライバシーが確保され、庭やデッキで過ごす際にも通りからの視線を遮ることができます。特に南向きの敷地で、庭やリビングが通り側に面している場合に選ばれることが多いです。
小さな子どもやペットがいる家庭では、道路への飛び出しを防げる点も魅力です。ただし、狭い敷地の場合、圧迫感を感じやすくなる点に注意が必要です。
◇セミクローズド外構
セミクローズ外構は、敷地の一部に塀やフェンスを設置し、他の部分をオープンにするスタイルです。これにより、オープン外構とクローズド外構のよい点を取り入れることができます。
例えば、プライバシーを確保したい庭側に塀を立て、玄関周りをオープンにすることで、見せる場所と隠したい場所を分けることが可能です。注意点としては、オープンスペースからは人が侵入しやすく、クローズドな部分は死角になりやすいため、防犯上の対策が必要です。
せっかくの外構で後悔? 気を付けるべきポイント
外構は住まいの印象を決定づける重要な要素ですが、適切に計画しなければ後悔することも少なくありません。せっかくの外構を最大限に活かすためには、いくつかのポイントに気を付けることが大切です。
◇駐車場に関する後悔
駐車場において、よくある後悔のひとつはスペースの狭さです。国土交通省の基準によれば、軽自動車や普通自動車の駐車スペースは一定の広さを必要としますが、その基準を満たさない場合、乗り降りや荷物の積み降ろしが困難になります。
また、駐車スペースの位置が玄関から遠い場合も不便です。雨の日には傘が必要となり、重い荷物を運ぶ際にはストレスが増します。自転車やバイクの駐輪スペースがない、もしくは狭い場合も問題です。家族が増えれば、複数の自転車やバイクを置く必要が生じるため、駐輪スペースは別途広さを確保する必要があります。
その他の後悔として、駐車場に雑草が生えること、水はけが悪いこと、駐車場から玄関までの距離が遠いこと、カーポートの後付けが難しいことなどが挙げられます。これらの問題を防ぐためには、設計段階での十分な計画と予算配分が不可欠です。
◇庭に関する後悔
庭全体について、適切な照明がないと夜間は真っ暗になり、防犯面で不安が生じます。センサー付きの照明を設置することで、光熱費と防犯の両方の問題を解決できます。また、広い庭を設けたものの、お手入れが大変で雑草や植栽が伸び放題になり、見た目が悪くなることもあります。
さらに、ウッドデッキが実際にはあまり使われなかったという後悔もあります。庭やウッドデッキの計画段階で、使用頻度や手入れの手間を考慮することが大切です。水栓やコンセントの位置も、庭やウッドデッキの使い勝手に大きく影響するポイントです。
◇玄関に関する後悔
玄関周りの設計にも注意が必要です。まず、夜間の足元の暗さが問題です。上からの照明だけでは、門扉から玄関までの足元が暗くなり、不安を感じることがあります。また、玄関の出入りが外部から見えやすいこともプライバシーの問題です。
オープン外構では、道路から玄関が近いため、近所の人や通行人からの視線を遮る対策が必要です。セミクローズドやクローズド外構を検討し、適切な位置や大きさで外構を設けることで、プライバシーを確保できます。
アプローチに関しても、カビが生えたり、雨で滑りやすくなったりする問題があります。定期的な清掃が必要となるため、素材選びには注意が必要です。滑りやすいタイルや石材は避け、雨に濡れても安全な素材を選びましょう。
外構工事を成功させるコツ
外構工事を成功させるためには、家と外構のデザインを調和させることが重要です。住宅の外壁の質感や色に合った外構を設計することで、家全体に統一感を持たせることができます。これにより、家全体がバランスよく見え、一体感が生まれます。
◇家全体とのトータルコーディネートにこだわる
家の大きさや敷地の広さに応じたデザインの選択も大切です。例えば、大きな家にはボリュームのある高木がよく合いますが、コンパクトな家には低木や細い樹木が適しています。また、家の中から見える外構デザインも考慮することが重要です。家の内部デザインと調和する外構を選ぶことで、内外の一体感が増します。
外構工事の計画段階では、プラン図や配置図を用いて完成イメージを確認することが大切です。可能であれば3Dパースを利用し、具体的な完成像を視覚化することで、より詳細なイメージを掴むことができます。
◇奥行きを出す
外構工事を成功させるためには、奥行きを感じられる配置を工夫することが重要です。正面からすべてが見えるデザインよりも、中に進むほどに新しい発見があるようなデザインが、より魅力的で楽しみを提供します。
例えば、敷地の入り口から家までのアプローチを直線ではなく曲線でデザインすることで、奥行きと神秘感を演出できます。また、パーゴラやアーチなどを設置して視界を一度遮ることで、奥に何があるのかという期待感を生み出すことができます。
さらに、デッキやテラスを設ける際には、視界を引き延ばす工夫を取り入れることで、空間に奥行きを持たせることができます。
◇植物を植える
外構工事を成功させるためには、植栽を効果的に活用することが重要です。植栽とは、植物(草木)を植えることであり、多くのプラス効果があります。
まず、植栽は家の外観をハイセンスで温もりのあるものにします。緑豊かな庭や外構は、視覚的に美しく、訪れる人々に好印象を与えます。また、夏場には土壌表面の熱を吸収し、周囲の温度を下げる効果があります。これにより、住環境が快適になり、エネルギー消費の削減にもつながります。
さらに、植物には人のストレスを軽減させ、リラックスさせる効果があります。これは数々の実験で証明されています。例えば、農林水産政策研究所の研究によれば、観葉植物(ドラセナ)を使った実験で「生理的リラックス効果」が確認されています。
外構は防犯やプライバシー保護、駐車スペースの確保、敷地の境界線の明確化など、住宅にとって重要な機能を持ちます。外構には門扉やアプローチ、駐車場、ブロック、フェンスなどが含まれ、住宅全体のバランスをとる役割を果たします。適切な外構デザインは、防犯性を高め、開放感を生むなど、多くのメリットがあります。
外構には「オープン外構」、「クローズド外構」、「セミクローズド外構」の3つの主要なスタイルがあります。オープン外構は視線が通りやすく日当たりも良好ですが、プライバシーの確保が難しいです。クローズド外構は高い塀やフェンスで囲まれプライバシーを守りますが、圧迫感が生じやすいです。セミクローズド外構は両者のメリットを組み合わせ、柔軟な設計が可能です。
駐車場や庭、玄関の設計には特に注意が必要です。駐車スペースの狭さや位置、庭の照明やメンテナンス、玄関周りのプライバシー確保が後悔の原因になりやすいです。外構工事の成功には家全体とのトータルコーディネート、奥行きを出す配置、植栽の活用が重要です。
